さて今日の本題です。
Parallels Nightの話の続きを。ちなみに過去の記事はこちら
Parallelsでは複数のOSを動かすことが出来ますが、そこで問題になるのがクラウドサービスのローカル側に置かれるファイルです。何が問題かというと・・・
例えばDropbox+Macで言えば、Mac内とインターネット上とにそれぞれDropboxフォルダがあって同期されています。そこにParallelsを使ってWindows8をインストールしてDropboxを使おうとすると、Windows8内にもDropboxを置く必要があります。
Dropboxの容量が無料で利用できる2GB程度であれば、複数のOSにそれぞれフォルダを置いてもさほどダメージはありませんが、有料プラン(1TB)を使おうと思うと数十GB程度はローカルコンピュータ内に存在するようになります。例えば100GBあるとすれば、
MacOSXで100GB、Windows8でも100GB、計200GB必要です。Windows7など他のOSも使おうと思ったら倍々ゲームで容量が圧迫されていきます。
Parallels Desktop10ではその問題を解決するために、MacOSXのDropboxフォルダをParallelsにインストールされているOS(ゲストOS)でも使えるようにしてあります。
つまり、MacOSXにインストールしたDropboxはそのままゲストOSでも利用できるのです。Windows8で言えば、エクスプローラーを開いた時にDropbox(Mac)フォルダが出てくるのでそれをクリック、後はいつもと同じように使うことが出来ます。Windows8にDropboxをインストールする必要はありません。
ファイルの連携もParallelsを使っていると便利に感じる機能の一つです。
例えばWindows8のWordで作業をしていて、iCloudに入っている画像を使いたい、と思った場合をイメージして下さい。WindowsでもiCloudを使うことが出来ますが、如何せん使い勝手がよくありません。
そこでMacのiCloudを開き、必要な画像ファイルをそのままWindowsにドラッグすれば、ファイルがコピーされます。その逆にWindowsからMacへのコピーも行えます。
このあたりの連携を実際に体感するとWindowsパソコンにこだわる理由、「ワタシの使い方ではWindowsパソコンじゃなきゃ無理」という理論武装が音を立てて瓦解するのがわかるでしょう。
もう一つ、その感触をさらに高める機能があります。それは何かというと、コヒーレンス(Coherence)モード。ゲストOSの単一プログラムをウィンドウで表示させることが出来るのです。Windowsを例に取ると・・・
Macでは当然ながらMac版のオフィスしか動きません。Mac版ではマクロをはじめ、出来無いことが多すぎるのに加え、Mac版で作成したデータをWindows版で開いた時のレイアウトの崩れもかなり深刻な問題です。
普段はMacのソフトでもいいけど、エクセルだけはWindows版を使いたい。
そんな希望を叶えるのがコヒーレンスモードで、MacのDesktop上にWindows版エクセル2013がウィンドウ表示されているのでまるで最初からインストールされていたかのような自然さで作業が行えます。
※今までコヒーレンスモードの存在は知っていましたが、使い方のイメージが漠然としていました。Parallels創業者のジャックさんに、MacでWindows版Illustratorのフォントが使えたらいんですけどね、なんて無茶ぶりしたらこのコヒーレンスモードでの使い方を提案していただけました。
これらの説明をいろいろ聞いていると、Windowsパソコンにこだわる理由が徐々に消滅していくのが実感できます。Parallels利用を前提に考えた場合、WindowsパソコンからMacに移行できない理由があるとすれば、
1.Macの操作を覚えるのが面倒
2.Macは高いから買えない
3.Macの他にWindowsとParallelsも買わなくてはいけないので割高
4.シリアル/パラレル接続の機器など、昔の資産を活用したい
5.周りにMacに詳しい人がいないので不安
あたりが考えられると思います。いずれももっともな理由なんですよね。
これらのガードを突破してMacに乗り換えるには「Macを使うのがどれだけ便利か」を知ってもらうところから始める必要があるのかも知れません。
自分的には、(iPhoneやiPadを利用している人なら特に)思い切ってMacに買い替えて必要最小限の部分=譲れない所(Windowsでこれを使っているので、それはそのまま使いたい)=をWindows機として使うことをお薦めしたいです。特にiPhoneやiPadを使っているならMacを母艦にして連携させないとモッタイナイ。
購入費用面で抵抗を感じる人が多いのは致し方ない部分もありますが、自分のビジネスを有利に戦う武器を手に入れる必要経費と考えてもらいたいものです。
少なくとも自分がパソコンの世界にハマリ始めた頃はパソコンは1台30万円位するのが普通でした。一生ビジネスの世界で戦っていける知識を入手する必要経費と考えたら、Mac+Parallels+Windows+各ソフトを加えて30万円程度で済むのはある意味バーゲンプライスと思いますけどね。
それにしてもParallelsは多機能で便利です。製品説明のサイトを見てみたら、Parallels Desktop10で追加された機能だけでもこれだけあります。
http://www.parallels.com/jp/products/desktop/
全てを理解して使いこなすなんて不可能でしょうけど、持ち駒(機能)が多いのは有利です。
というあたりで今日はこのへんで。Parallels Accessの話も聞いたのですが、こちらは明日以降で・・・